ペットと共に生きる私たちにとってペットに対する法律や規制などは生活に直結してきますが、これは日本に住んでいるので日本の法律に従って暮らしています。
世界に目を向けたときにはペットに関する法律や規制など考え方が柔軟で先に進んでいる、いわゆるペット先進国と呼ばれている国があります。
まだまだ日本はペット先進国と比べると遅れている部分があるのはなんとなく理解できますが、日本でも十分快適に暮らしているけど?と思っている方も多いと思います。
そんな方々にペット先進国の法律や内情をお伝えしていきます。
目次
世界動物保護指数
World Animal Protection(世界動物保護協会)が2018年にBest Countries For Animal Welfareとして世界50か国を法律や政策における動物福祉の保護と改善への取り組みの観点からランク付けしています。
2020年度版の動物保護指数が発表されていますが最高ランクだったB評価の国が全部で6ヵ国あります。
オーストリア
まず1カ国目はオーストリアですが、全世帯の約60%が動物を飼っているという動物大国であり、それに伴って色々な法律が定められている事でも有名です。
- ペットを1日のうち1回も散歩させなかった飼い主には最高で4,000豪州ドル(日本円374,000円)の罰金がある
- 犬を24時間閉じ込めていた場合、飼い主には2時間は犬を自由に動き回らせることを命じ、従わない場合は法的措置を講じる
- ご飯や飲料などふさわしい飼育環境を満たしていないと判断された場合も罰金刑
他の国とは異なり、散歩をさせなかった場合には罰金が約37万円と高い金額となっており、他にはない珍しい法律となっています。
ここまで愛犬の散歩事情まで踏み込んだ法律を制定している国はなく、いかに犬を家族と同じで生きている権利を守っているかが分かります。
スイス
最も厳しい動物愛護法を定めていると言われるのがスイスですが、逆に「世界で最も動物に優しい国」と言われているのもスイスです。
- 犬を販売する際は販売者の名前や住所、犬の血統などを詳しく明記することが義務
- ウサギやモルモットなど小動物を飼う際は2匹以上で飼わなければならない
- 猫を飼う際は飼い主などが毎日一定時間を確保して接してあげる
- 犬の飼い主になるために講義の受講が義務付けられている(4時間)
犬を販売する側も犬を迎え入れる側も国として認められて人ではない限り許可されない、ということが大きく他国とは異なる点ですね。
日本の場合には厳しく管理されることは多くはありませんし、犬を迎え入れるのも許可制ではないのでどこで迎え入れるにしても飼おうと考えている方は難しくないでしょう。
イギリス
イギリスについてはペットについての法律が70以上もあり、ペットのストレスになるような行為いついて禁じていることが多いペット寄りの法律を制定している国です。
- ペットの遺棄禁止
- しつけ以外の過剰な苦痛を与えることの禁止
- 生後8週未満の猫や犬の購入禁止
- 犬のフンを回収せずに遺棄した場合、100ポンドの罰金
- 生後6か月未満の子犬・子猫をブリーダー以外の第3者が販売することが禁止
ペットショップでの販売が禁止されているのは先進国では当たり前になりつつあり、迎え入れるときにはブリーダーか保護施設からが一般的となっていることが多いようです。
厳しい規則がある代わりに公園や散歩道には至る所に犬のフンを入れるボックスが設置されていて、飼う側にも優しい環境が整えられています。
スウェーデン
マイクロチップについてはどの国よりも進歩しているスウェーデンは、マイクロチップで犬の身分証明まで出来るので保険の契約などもマイクロチップで行うことが出来ます。
- 繋ぎ飼いやケージ飼いの禁止
- 犬だけで6時間以上の留守番の禁止
- 公共交通機関の犬の乗車が可能で、犬連れで乗れる車両では立ったままの乗車はもちろん、マットを敷けば座席に座らせることもOK。
- アパートへの入居時にペットを飼うことについての許可を取る必要がない
アパート入居時に許可がいらないというところが如何にペットに対して寛大な心を持っているかが分かりますね。
犬だけで6時間の留守番は禁止されているため、飼い主側の留守番をさせない努力も必要になるので労力や支出は大変ですがそれでも飼いたいという方になるので安心ですね。
オランダ
オランダはなんと動物の殺処分件数が0という驚異的な数字を出している国でありペットにとってはとても過ごしやすい国となっています。
- 保護施設が170ヶ所以上あり、殺処分数0
- 飼い犬1頭ごとに「犬税」という税金を支払う必要
- 食料品が売っているスーパーマーケット以外のお店や公共交通機関に出入り自由
- 保護施設の多さだけでなく、引き取るにも費用がかかる
- 里親にも厳しい目を光らせていて、引き取る前の事前チェックはもちろん、引取り後の抜き打ちチェックもある
犬を飼うことについてはチェックがかなり厳しい国であり、事前チェックだけではなく事後もあるというところが厳しいですが愛犬としては安心することができる最大のポイントですね。
保護施設も多く犬1頭引き受ける代わりに国から飼育補助金が発生するという安心感です。
その他も保護施設に対して寄付する精神も根強く、保護施設の運営もストレスなく過ごせるところが多いのです。
デンマーク
デンマークについては特定の犬についての規制が強くされていることが他国とは大きく違うところです。
- 外で犬を飼うことができない
- 特定の禁止犬種と、それらとの雑種をデンマーク国内に持ち込めば、即時押収~安楽死処分される可能性があります
- 咬傷事故を起こしたすべての犬にも適用
賛否が分かれるところになりますが、危険犬種並びに危険犬種の雑種については、国内に持ち込んだ場合には安楽死の対象になります。
なお立ち会った警察官の独断で危険犬種かどうかの判断を委ねられる場合もありますので、飼い主はもしも該当犬種ではない場合には証明しなければいけません。
さらに人に怪我をさせてしまった犬についても同様の処分がとられる可能性が高い法律があります。
日本は?
日本は総合E評価とA~G評価の中でも下から3番目と良い順位とは言うことが出来ません。
評価項目は全部で10項目あり、日本はD評価が3項目、E評価が2項目、F評価が3項目、G評価が2項目と最高でもD評価となっています。
農業に関する動物(家畜)に関する事と、娯楽に関する事(サーカスなど)に関する事が最低評価Gとなっており、まだまだペット先進国と比べても劣っているのが現状です。
ペットだけではなく全ての動物についてのことが評価対象になっているので必ずしもペットに対することだけではありません。
しかし先進国に比べるとまだまだ法整備などはまだ追いついていないのが現状だと感じています。
まとめ
ペット先進国のヨーロッパ中心の国々は色々な法整備の元で、愛犬が家でも外出先でも暮らしやすい環境が整えられていることが分かります。
留守番は6時間以上禁止など、飼い主側も努力しなくてはいけないことやお金をかけても守らないといけない部分が多くあるのは仕方ない事ですね。
それでも公共交通機関を自由に使用出来たり、賃貸に住む際には許可が必要ない等、いることが当たり前になる世界で暮らすことは愛犬にとっても嬉しい事です。
日本もいきなりは無理ですが、徐々にでも愛犬に身近な環境に徐々に変化出来ればと思ってしまいます。
もちろんアレルギーの方や犬嫌いの方もいるので配慮は必要ではありますが、だからといって犬がストレスになるような環境もまた違います。
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